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体外循環の分野で活躍されている手術室のスペシャリスト
 自治医科大学附属大宮医療センター
 臨床工学部主任臨床工学技士
 百瀬直樹さん

        プロフィール

昭和56年、東京電子専門学校医学電子科(現・臨床工学科)卒。
三井記念病院MEサービス部へ。
昭和63年臨床工学技士資格所得。
平成3年体外循環認定資格所得。
平成元年より自治医科大学医療センター勤務。
平成14年11月までに、およそ3,500例の人工心肺装置による手術を経験している。
人工心肺の自動制御やコンピュータの応用を研究テーマとしている。
 病床数 420床
 入院患者数 383人(一日平均)
 厚生労働省認可の臨床工学分野
 血液浄化(人工透析)、人工呼吸、医療機器、人工ペースメーカー
 人工心肺装置を用いた手術数 月間約25例
自治医科大学附属大宮医療センター
 

生命の源である心臓を止めることが私たちの仕事
[それだけに緊張感のあふれる仕事]

 
 あまり聞きなれないかもしれませんが、心臓手術のときには欠かせない機器に人工心肺装置というものがあります。心臓に血液が入ったままでは手術で心臓を切開したときに、それこそ大量の血液が吹き出してしまいます。手術の間、本物の心臓の代わりに患者さんにとりつけるのが人工心肺です。その際、我々は命の源である心臓を止めます。ふつうでは考えられないことですが、それが私たちの仕事です。その技術があるからこそ、心臓手術が順調に行われ、患者さんを心臓の病気から救うことができるのです。私たちは患者さんの命の源をあずかるという緊迫した現場で日々働いています。

“手術の成功”ただそれだけを願って
[安全で当たり前、それがプライド]

 
 この仕事では、患者さんと直接あってお話しをする機会はほとんどありません。患者さんは、人工心肺という装置が使われていることすら知らないかもしれません。ですから、患者さんから直接「ありがとう」と言われることはありません。完全に無事に手術が終わるのが当たり前なのです。パイロットや航海士も無事に乗客を運んだからといって「ありがとう」とは言われません。乗客の安全を守って運行する。私たちも人知れず安全に装置を動かして、患者さんの心臓疾患の回復に全力で携わっているのです。手術チームの一員として。それが私たちの誇りです。

「ポンプ スタート!!」医師とのアイコンタクトで動き出す
[医師との信頼関係があるからこそ]

 
 手術中は執刀医とはほとんど話はしません。「ポンプ スタート!!」という声だけで人工心肺が回り出し、医師が手術をはじめます。執刀医と我々臨床工学技士がお互いを信頼しきっているからこそ、執刀医とのアイコンタクトで手術が進んでいくのです。医師と臨床工学技士、それに麻酔科医、看護師が1つのチームとなって、それぞれの持てる能力をお互いが発揮し合って手術は行われます。そこには技術だけではなくて、人間として信頼できる関係があるのです。

【写真説明】
 患者さんの心臓を止め、人工心肺で生命を維持しているため事故は許されない。
人工心肺は生命維持だけではなく、出血の回収や心臓の保護などを受け持っている。
左が臨床工学技士。中央は外科医、右は看護師。そして奥に見えるのが麻酔科医。
【写真説明】
人工心肺を操作中の臨床工学技士
 
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