理学療法士、作業療法士にはない魅力
[緊張感をやりがいに]
私にとってこの仕事の最大の魅力は、患者さんの笑顔を見ることです。それには、自分が保守点検を行った装置がまったく故障がなく、患者さんに迷惑かけることなく動くことが、患者さんの笑顔につながると考えています。自分が装置の操作を確実に行うことによって、最低限の医療の質を確保できるのじゃないかな、と思っています。
テレビやコンピュータと同じように医療機器も簡単にスイッチ一つで動きます。ただ大きく違うのは、一つのスイッチを押し違えることによって、人間の命をなくしてしまうくらい重要な装置ということ。とても緊張感がありますが、それがやりがいにつながるじゃないかと思っています。
まだまだ低い臨床工学技士の認知度
[まずは業界内の啓蒙から]
技士の間でよく話すんですが、CEの業務は、医療機器の操作、保守点検が主な仕事であり、他の業種の方にどれだけわかってもらっているかが問題ですね。ドクターでも腎臓内科、胸部外科、呼吸器、麻酔科の先生方に比べ、それ以外の先生はCE業務にかかわることが少ないから、自分たちに関係ないような職種に思えてしまうのかもしれません。そして特に問題なのは、絶対数が多いナースの認知度が低いこと。技士を知らない一般病棟にいるナースへのアナウンスがキーです。まず、医療関係者に臨床工学技士が何かということを分かってもらわないと、次にはいかないかなと感じます。このパンフレット、業界団体にも配ってください(笑)。
それと、私は三重県の臨床工学技士会の理事もやっていますが、技士の仕事についての一般市民を対象にした勉強会を開いて、口コミで広げていきたい。地域で少しずつでも、できればいいなと思っています。
プロ意識を高めるために
[インセンティブの導入で事故を防ぐ]
ぜひ日本臨床工学技士会にリードしていただき、これからは臨床をベースにした指導者の育成にも力を注いでいきたいと思っています。また、日臨工オリジナルの認定試験等を設け、レベルに応じた評価があれば変わるのだと思うのですが。今は一生懸命な技士もただルーティン作業だけをこなす技士も評価は同じだから、何かインセンティブを導入したらどうかと思っています。ルーティン、マンネリ業務が事故を招きます。私たちは、臨床工学のプロだということを意識して業務しないと、事故の防止につながらないと思うのです。
今も非常勤として大学で教えていますが、学生を指導するのは楽しいです。若い子からの意見は大切です。「なぜ、こうなの?」と聞かれて、分からない自分がくやしいと思うこともありますけれど、それが自分の勉強の活力になります。そして、教えることの難しさ、伝えることの難しさも痛感しています。技士の卵たちには、目標を持ってひとり立ちできるようにがんばってほしいです。私も一線で仕事が出来るよう、がんばって行きたいです。
小学生から今のお仕事好きですか?と聞かれたら、すぐに「ハイ」と答えますよ。